ひとつ、ふたつ、ひみつ。

せっかく温かいお茶を作ってくれたのに、湯気の量が減って、少しずつ少しずつ……冷えていく。

「でも、俺、こっちの身分証とか持ってないからなぁ。……まぁ、なんとかするからいいか」

若干の違法性を感じる言葉が出た気がするけど、それもとりあえず今はよくて。

「わ、私、真尋くんと離れたくないよ……」

「え? うん、俺もだよ。なんで離れるの?」

「だって、今……」

キョトンとした真尋くんに、目の前で不安で泣きそうな私。
知らない人から見ればきっと、同じ話をしているふたりには見えないはず。

「こまり、忘れた? 俺はワープが使えるから、すぐにこまりに会いに行けるんだよ」

「あ……」

そっか。
なんだか、遠距離恋愛をする気持ちでいっぱいだったけど。
真尋くんは文字通り、“瞬間移動”の人なんだった。

「……」

でもやっぱり、真尋くんが家にいなくなるのは寂しい。
ずっとそばにいたから。

「それでさ、大人になったらまた一緒に暮らそう。ふたりで」

そんな私の気持ちなんて全て分かっているみたいに、真尋くんは想いをすくい上げてくれる。