ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「タイムスリップとかワープとかがある世界だから、家事なんてもう、人がやらなくなったようなところから来たんだと思ったよ」

「こまりは面白いこと言うね。人がやらなきゃ、誰がやるの?」

「ボタンひとつで何もかも出来ちゃうみたいな、機械? とか、ロボットとか」

「ないない。自動で掃除するロボットとか、あるにはあるけど、みんなが持ってるわけじゃないよ」

ルンバみたいな掃除機の話かな。
確かに、こっちでも持ってる人は持ってるだろうけど、大体の家庭は人の手が必要な掃除機だしね。

「俺のいた世界は、こことそこまで変わらないと思うよ。だってほら、日本語だって今ちゃんと通じてるでしょ」

「そうだね……」

言葉が違和感なく通じる。
だからこそ、逆にそれが違和感で。

本当に違う世界の人なのかな、って。