ひとつ、ふたつ、ひみつ。

そう言いながらも、私の頭の中にはやっぱりあっくんがいて。表情が、焼き付いて離れない。

ちゃんと、話をしないと。

多分、もう、今までの関係には戻れないんだ。

真尋くんの腕の中で、ギュッと目を閉じる。

暖かい……。

次に目を開いた時、地面に時計のようなものが転がっているのが、視界に飛び込んできた。

そういえば、さっき何かが落ちた音がしたような……。

あれは。

「タイムマシン?」

「ん? ああ、俺のポケットから落ちたのかな」

「また持ち歩いてるの?」

「違うよ。勝手に入ってた。言ったでしょ、これは、所有者から離れられないように出来てるって」

「あ、そっか。便利な機能だよね。こっちの世界だと、そんな技術ないから、不思議」

「……」

「真尋くん?」

真尋くんは、無言で屋上のフェンスに向かい、そして……。

「えっ、真尋くん!?」

思いっきり振りかぶって、野球のピッチャーのように、タイムマシンをボール代わりに、遠くに投げ捨てた。