ひとつ、ふたつ、ひみつ。

風のせいで顔にかかった私の後ろ髪を、真尋くんの指先がつまむ。

その手はそのまま、頭のてっぺんに移動して、ポンと軽く撫でた。

「……よかった。俺以外を好きになったとか、言われなくて」

肩を落として、少し情けない表情をした顔が、私と目を合わせないようにしている。

「真尋くんのやきもちは、心臓に悪すぎるよ……」

「ごめん」

「!」

──カシャンッ。

頭を撫でる手が、私の手首をつかんだと思ったその瞬間。
何が起こったか分からないままに、私は真尋くんの腕の中にいた。

「あ、あぶな……っ、お茶こぼれるところだったよ」

「うん、ごめん」

「絶対思ってないよね」

「んー? うん」

うん、て。

「ここ寒いから、抱きしめてもいいかなって思って」

「真尋くんは、暑い夏もすぐぎゅーってしてきてたよ」

「そうだっけ?」

「そんな言い訳しなくても、いつでもしていいのに……」

「うん」