ひとつ、ふたつ、ひみつ。

そこまで話して、あっくんの顔色がすごく悪くなっていることに気がついた。

「えっ……、だ、大丈夫? 具合悪いんじゃ……」

「誰?」

「え?」

「誰? それ」

私の心配なんか耳に入っていないみたいで、話が噛み合わない。
声色が重たくて、まるで知らない男の人みたい。

「誰って……、あっくんは会ったことない人……だよ」

本当はここで一度顔を見られているけど、せっかくあの時に真尋くんが知らない人のふりをしてごまかしてくれたから、そういうことにしておく。

実際、あっくんは真尋くんのことは知らないし。
それに、わたしたちの関係を説明することも出来ない。

「だからお前、最近変だったのか」

つかまれた手首が、また痛みを取り戻した。

「最近、昼休みにひとりでいなくなることとか。買い物にも俺を頼らなくなったこととか。そういうのも全部、そいつのせいか」