ひとつ、ふたつ、ひみつ。



遅めの朝食のような、早めの昼食のような、中途半端な時間のメニューは、ふわふわたまごのオムライス。
あとは、私が用意した、お湯を注いだだけのインスタントスープ。

「はぁ、今日も、すっごくおいしいね……」

真尋くんの作ってくれた大好きな味が、ジーンと染みる。

「よかった。卵の賞味期限があやしかったから、使い切りたくてさ。こまりのお腹の音のおかげだね」

「忘れてもらっていいですか……」

「えー、もったいない。可愛かったのに」

「か、かわいくないよ……」

テーブルで向かい合って、スプーンを口に運ぶ。
悔しいけど、やっぱりおいしすぎる。

顔を見るのが恥ずかしくて、目線は常に自分と真尋くんの手元に落ちている。

真尋くんの手、骨張っていて指が長くて、綺麗だな。

……あれ?

違和感の答え合わせが、突然やってきた。

真尋くんの手首から、あのタイムマシンが……消えてる?