ひとつ、ふたつ、ひみつ。

真尋くんは、こんな答えは求めていなかったかもしれない。

ただの余計なお世話だったかもしれないし、それどころか、心の中のしこりを大きくしただけかもしれない。

だけど……。

「ありがと、こまり」

真尋くんが、笑ってくれるから。
また少し、泣きそうになった。



そのあと、あまり休めていなかった私たちは、そのままベッドの上で眠ってしまった。

どちらからともなく目覚めた頃には、すっかり日が高くなっていて、時計は11時手前を指していた。

「ここはね、宮城県の仙台市。私のママの出身地だよ。いとこがいるから、お盆の時とかは遊びに行くんだ」

「仙台? 俺の世界でも、同じ地名だよ」

「本当?」

「うん。エルディアスの首都は、仙台だから」

目が覚めてからもずっと、私たちはスマホ画面の日本地図の前でゴロゴロとしている。