真尋くんが私の目を見て笑って、手を握られた瞬間、心臓までギュッとつかまれた気がした。

あつい。
夕方になっても、まだ太陽の熱が冷めない。

まだ、終わらないでほしい。このあつい季節が。
真尋くんが、私のそばにいる季節が。ずっと。



帰りの電車ではお互い疲れきってしまって。
隣同士で、私は真尋くんの肩に、真尋くんは私の頭に頭をもたれて、眠ってしまった。

そのせいで、おりるはずだった駅を大きく越えて、終着駅まで行ってしまった。

ふたりで顔を見合せて笑って、折り返しの電車が来るまで、何もない駅のホームでずっと話をしていた。

とても楽しくて、きっとずっと思い出に残る出来事になったけど……。
この先、真尋くんがいなくなった未来で、私はひとりで思い出して悲しくなるんだろう。

そう、思った。