「真尋くん、いつもそういうこと聞かないから……。したい時に、したいことするでしょ」

「そんなことないよ。したい時にしたいことしていいなら、今頃こまり、大変なことになってるよ。俺だって、男なんだから」

「……」

なんか、手を繋ぐ許可を取ろうとしたことよりも、ものすごい事実をサラッと伝えられた気がする。

大変なこと?
……とは。
真尋くんがしたいことで、なんで私が?
男とか女とか、それに関係があるの?

……考えるの、やめよう。
パンクする。

「今日のこまり、なんかちょっと、いつもの困り方と違うから。嫌なことして、ますます困らせたくない」

「!」

指先が、触れる。

「だから、手。繋いでもいい? こまりが嫌じゃないなら」

その聞き方は、ズルすぎる。

私が、本気で嫌がるわけないって、分かってて聞いてるんだ。

「……嫌じゃ、ない……」