簡単な名称の二択しか頭になかったから、知らない言葉が耳に入ってキョトンとしてしまう。
「きつ、ね……? え? それ、なに?」
「ん? 狐の嫁入り。こういう、晴れているのに雨が降るような天気のことだよ」
「初めて聞いた……。なんで、そんな名前になったの?」
「狐の嫁入り行列を、誰にも見つからないようにするために、雨を降らせて人を家の中に隠すんだ。だから、こんな天気のことをそう呼ぶんだよ」
「なんか……すごいね」
「うん。天気のひとつにも、物語があるよね」
「ううん、真尋くんが。そんなこと知ってるなんて、すごいと思って」
「え? ああ、昔……母さんに教えてもらったから」
「お母さん?」
それなら、もしかしたらそれは真尋くんの世界だけで言われている物語だったりするのかな。
あとで調べてみよう。
初めて。真尋くんが、自分のことを……家族のことを、話してくれた。
いくら嬉しくなったって、違う世界の私には、今後関係ないことなのに。
「きつ、ね……? え? それ、なに?」
「ん? 狐の嫁入り。こういう、晴れているのに雨が降るような天気のことだよ」
「初めて聞いた……。なんで、そんな名前になったの?」
「狐の嫁入り行列を、誰にも見つからないようにするために、雨を降らせて人を家の中に隠すんだ。だから、こんな天気のことをそう呼ぶんだよ」
「なんか……すごいね」
「うん。天気のひとつにも、物語があるよね」
「ううん、真尋くんが。そんなこと知ってるなんて、すごいと思って」
「え? ああ、昔……母さんに教えてもらったから」
「お母さん?」
それなら、もしかしたらそれは真尋くんの世界だけで言われている物語だったりするのかな。
あとで調べてみよう。
初めて。真尋くんが、自分のことを……家族のことを、話してくれた。
いくら嬉しくなったって、違う世界の私には、今後関係ないことなのに。



