ひとつ、ふたつ、ひみつ。

少しボーッとしながら景色を眺めていると、大きな手が肩を引き寄せた。

「えっ? ま、真尋く……?」

「こまり、少し休んだ方がいいよ。肩がいい? 膝がいい?」

まさかの二択。

肩に寄りかかるか、膝枕か、選べと?

「い、いいよ、どっちもしなくて」

「遠慮しないの。じゃあ、膝ね」

「わぁ!?」

有無を言わさず、体を倒される。
ぐるんと景色が回って、視線の先はあっという間に真尋くんの顔と青空。

手のひらが額を(おお)って、ビクッと肩が揺れる。

「よかった。熱はないね」

「だ、だから、大丈夫なんだってば……」

嘘。大丈夫じゃない。
心臓の音が、不規則に高鳴り続けている。
全部、真尋くんのせい。