ひとつ、ふたつ、ひみつ。

真尋くんは平気でこういうことを言うから、本当に(たち)が悪い。

真尋くんが喜ぶから。……なんて理由で、ミニスカートを選んだ私の心が、見透かされている気分。

汗がにじむ。
顔が、熱い。
それは全部、隣を歩く君じゃなくて。太陽のせいに、決まってる。



運動公園の最寄り駅までの電車内は、とても混んでいる。

外が暑くて、その分余計に疲れてしまったから、出来れば座席に座りたかったけど空いていなくて、私たちは壁際に立つことで何とか居場所をキープした。

つり革につかまってゆらゆら揺られるよりも、壁に背中を預けられる分、少し楽に感じる。

以前なら電車自体がめずらしくてずっとキョロキョロと興味深そうにしていた真尋くんは、すっかりこちらに慣れたのか、静かに私の隣に立っている。

……というか。
なぜか、私だけをじっと見ている。

な、なんで?