運動公園に向かうためには、電車を使う。

あっくんと、あっくんの家族に見られないように、慎重にマンションを抜け出して、ふたりで駅に向かう。

もう少しで九月も終わるのに、まだまだ太陽の光が強い。
なんだか、年々夏が長くなっている気がする。
カレンダー的には残暑どころか、秋が始まっている頃のはずなんだけど。

「はぁ、暑いね」

私は、(ひたい)の前に右手をかざしながら、空を見上げる。
太陽が眩しくて、空がとても青い。

まだ午前中なのに、気温はすでに30度に迫っている。昨日までと比べて、今日は特に暑い。

「そうかな。九月にしては、涼しいと思うよ」

「……」

真尋くん、本当にどんなところから来たんだろう。
そういえば、冬に雪が降らないって言ってたし。日本に四季がある話も、首をかしげていた。
こっちの世界よりも、温暖化がエグいのかな。