カフェを出てからも、あっくんは適当に歩いているだけで、特にどこにも用はないように見える。

結局、今日のお出かけの目的って、なんだったんだろう。
変なの。

真尋くんに散々(さんざん)引き止められて、それを振り切ってまで、私はここにいるのに。

……とか、全然あっくんのせいじゃないんだけど。

真尋くんは、今何をしてるのかな。

今日こそ、タイムマシーンが直っちゃったりして。

今日こそ、私の目の前から消えちゃったりして。

……なんて。やだな。

スタスタと歩いているあっくんに、私はただついていく。

ひとりだったら選ばない道を見ながら、ここは地元なのに不思議な気持ちになる。

裏通りなんて、いつぶりだろう。
登下校の時には使わないし、買い物のルートはもうひとつ先の道だし。

あ、花屋さんだ。
切り花だけじゃなくて、小さい植木鉢(うえきばち)もある。