土曜日になって、真尋くんは朝から機嫌が悪い。

相変わらず夜のうちにベッドにもぐりこんでいたようで、いつもなら私より先に起きて朝食の準備などの家事をしてくれるけど、今日は私が目を覚ましてもベッドの上で正面からぎゅうっと抱きついて離してくれない。

「ま、真尋く……、くるし……」

「土曜日だよ。学校は休みなんだから、家で休めばいいじゃん」

「出かけるんだってば、ほ、本当に苦しい……!」

右手を伸ばして、真尋くんの背中をバシバシ叩くけど、効果はゼロ。

「幼なじみくんと、何時に出かけるの?」

「約束は10時だけど……?」

嫌な予感……、

「じゃあ11時までこのままでいる」

「無理無理無理無理っ!」

的中。

一時間遅刻確定であっくんに怒られるとかよりも、何時間もこのままなのは私がもたない。

血が上りすぎて、爆発するから。ころす気か。