ひとつ、ふたつ、ひみつ。


「いとこくん、また学校に来るの?」

「うん、お昼だけなんだけど。ふたりで、一緒に食べようと思って」

お昼はいつも花恋たちと一緒に食べていたから、翌日、登校してすぐに花恋に小声で相談をする。

「それはいいんだけど、大丈夫? 部外者だし、そのうちバレない? あと、イケメンのひとりじめズルいんだけど」

「バレるのは……ない。大丈夫」

真尋くんは、直接屋上にワープ出来るし、屋上からそのまま家に帰れるから。
……とは、さすがに言えないけども。

「なんでわざわざ学校で? それだけのために来るとか、めんどくさくない?」

「それは大丈夫。一瞬で来れるから」

「? 足速いの?」

「はっ。え、あ、うん、そんな感じ」

口に出してしまうほどに、ハッとする。

危な。
たった今隠したばかりなのに、真尋くんがワープ出来るのが私の中で当たり前になりすぎている。

「真尋くん、私が学校に行ってる間はひとりだから、さみしいかなって思って」

「あの歳の男子で、さみしいとかないでしょ。こまりが一緒にいたいだけでしょ」

「……え?」