ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「半分でいいの?」

「うん。こまりと一緒のものが、食べたい」

「そう……?」

真尋くんがそれでいいなら、いいけど。

お昼に、四種類のパン。
そんなことは普段しないから、ちょっとした贅沢(ぜいたく)をしている気分になる。

まずは、袋から出したベタチョコパンを、半分に()く。
元々、コッペパンを割ってから断面にチョコが塗ってあるものだから、綺麗に二分割。

「はい、真尋くん。これはね、私が一番好きなパンだよ」

手渡したつもりだったのに。

「!?」

真尋くんの顔が近づいて、私の手から直接パンをかじった。

「ぎ、行儀悪いよ……」

なんて指摘をしつつも、不意打ちに心臓はバックバク。

『あーん』って、なってましたけど!

「こまりの手から食べた方が、おいしいと思って」

「そんなわけないよ。ほら、ちゃんと自分の手で持って。もう……」