ひとつ、ふたつ、ひみつ。

私の腕の中には、パンが四個と紙パックの飲みものが二個。
少しでも見えないようにとギュッと抱きしめるけど、今さら意味はない。

「ま、まさか~。一回でこんなに食べないよ。え、えーと……あ、そうだ、夜ご飯も一緒に買っちゃおうかなって、あはは……」

ふ、不自然ー!
自分でも、分かる。怪しさ全開。

友達の分も一緒に買ったとか言っとけばよかった。
あながち間違いでもないし。

「お前、夜も買ったものなのかよ。うちに食いに来れば?」

「そんな、あっくんちにそこまで迷惑かけたくないよ」

「迷惑なわけないだろ。お前が来ると、父さんも母さんも喜ぶし」

うう……。この、100%善意が辛い。

パパとママが揃った、あっくんの家の夕食。
以前の私なら、それがうらやましくて。少し悲しくて。だけど、顔には出せなくて。

だけど、今あっくんの家に行けない理由は、もう違う。

ひとりぼっちで異世界に放り出されてしまった真尋くんを、これ以上ひとりにしたくない。

さらに言うと、真尋くんの作るご飯がおいしすぎる。