ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「真尋くん」

「こまり」

図書室に顔を出すたびに嬉しそうな顔をするから、ちょっとキュンとしてしまう。

私がいない間、そんなに暇なのかな。
本は読み放題だし、こちらの日本語も読めるから、すでに何冊も読み終わっているみたいだけど。

授業の合間の10分とは違って、昼休みはさすがに図書室の利用者も多くなる。

「誰にも見つからないように、一回屋上へワープしてくれる? お昼を買ったら、私も屋上に行くから」

「うん、分かった」

椅子の近くでしゃがみこんで、隠れる。万が一にも見られないように、私の背中でガード。

「先に行って、待ってる」

その言葉のあとに振り向くと、真尋くんの姿は消えていた。

あ、何を食べたいか、聞くの忘れちゃったな。