ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「別に、あっくんには迷惑かけてないんだから、いいでしょ」

「加藤に迷惑かかってたんだよ」

「か、加藤くん?」

「こまりがいなかったから、出席番号が次の加藤くんが授業で当てられたんだよ」

花恋がポンと私の肩を叩いて、あっくんの補足をしてくれる。

あ……。
私が休んだということは、代わりが必要になるということで。

それは、とても悪いことをしてしまった。
あとで謝っておかなくちゃ。

「それは……、ごめんって加藤くんに言っておく」

「俺には?」

「だから、あっくんには迷惑かけてないってば」

「長岡くん、心配したんだよ、こまりのこと。なんかあったのかなって」

再び花恋の補足に、「え」と、あっくんを見てみると、顔が真っ赤。

「心配なんかするか、こんな奴」

まるで捨て台詞(ぜりふ)を吐くように言い捨てると、あっくんはひとりでさっさと教室に入っていく。

真尋くんと一緒にいた一時間目。
その時に届いたスマホへのメッセージを今さら開いてみると、案の定全てあっくんから。

『どこにいる』
『おい』
『授業はじまるぞ』
『大丈夫か』
『どうした』
『具合悪いんじゃないだろうな』

……本当だ。

「あとで、長岡くんにも謝っておきなよ。こまりが保健室にいるんだと思って、慌てて走っていったんだから」

だから、授業終わりの休み時間に教室にいなかったんだ。
そして、保健室で休んでいないって分かったから、サボりを確信したのか……。

「うん、そうする」

悪いこと、しちゃったな。