ひとつ、ふたつ、ひみつ。

(あわ)れむような眼差しで、花恋がため息をつく。

教室は、すぐそこ──

「う!?」

あと10歩ほどで、教室の中。
だけど、私が急ブレーキをかけるように、キュッと上履きを鳴らして立ち止まったのは。

「こーまーりー。お前、さっき授業サボりやがったな!」

あっくんが教室の前で仁王立ちをして、私を待ち構えている。

「さ、さ、サボったわけじゃないよ!」

サボったんですけども!

「は? 俺に、隠しごとなんか出来ると思ってんのか」

「お、思ってる!」

だって現に、真尋くんの存在は一週間は隠せているわけだし。

花恋が腰に手を当てて、私たちを見ながら「あちゃー」みたいな顔をしている。

「なんだと? じゃあ、サボったんじゃないなら、なんだ。言ってみろ」

こっわ。
完全に、悪いことが見つかってリビングで説教をされる子どもだよ。

過激派の保護者すぎる。