ひとつ、ふたつ、ひみつ。

──キーンコーンカーンコーン……。

校内に響くチャイムが、休み時間の終わりを知らせる。

「真尋くん、ここにいてね。ごめん、私たち行くから」

「うん。授業、頑張って」

ニコッと笑って手を振る真尋くんに、花恋が「きゃっ」と小さく浮き足立つ。

ふたりで並んで、廊下を急ぐ。

「花恋、あの……真尋くんのことなんだけど……。ひみつにしてもらえないかな。特に、あっくんには。真尋くんがうちにいること、言ってないの」

「あー、言えないよね、長岡くんには。大変なことになりそうだもんね」

「そうなの。あっくん、すごく過保護だから。怒られそうで、怖くて」

「怖いっていうか……、まぁ、怖いよね。別の意味で。いとこって結婚出来るし」

「なんで結婚? それ、あっくんに関係ある?」

「……長岡くん、かわいそ」

「?」