冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

おふくろは冬美さんに会釈し、キッチンへ戻って行った。

「眼鏡はやめたんだね? 髪の毛もふわふわ」
「うん」

「冬美、すっごく可愛いよ。幸せ?」
「幸せ、かも。うふ」

「誠、良くやった。褒めてつかわす」

姉貴はそう言って、手を伸ばして俺の頭を撫でたのだが……

「あ、ごめんなさい」

すぐにその手を引っ込めた。どうしたのかなと思ったら、冬美さんが、じとっとした目で姉貴を見ていた。

どういう事かな?

「もうすぐ夕飯が出来るから、冬美も食べてね?」
「まーくん次第だから……」

え? 何、その返事? なんで声が低いんだ? さっきまではテンション高かったのに。
もしかして、冬美さん、怒ってる?

「誠、食べるでしょ?」
「あ、ああ。腹減ってるし。冬美さんも、いいよね?」
「別にいいけど……」

今の言い方だと、やっぱり冬美さんは怒ってると思う。だが、何でだろう?

俺と冬美さんは居間へ行き、冬美さんをおやじさんに紹介し、次に栞を抱いてる亮平に紹介した。

すると、冬美さんは頬を赤らめ、俺の耳元で、「葉子の旦那さんって、やっぱり素敵ね?」なんて言って、すっかり機嫌が直ったようだった。

俺はそれが面白くなく、さっきの事もあってモヤモヤし、冬美さんに断ってから、キッチンの姉貴の所へ行った。