冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

目を閉じ、うつらうつらしていたら、コンコンと部屋の扉をノックする音がした。おふくろだろうなと思い、

「おお、どうぞ」

と大きめな声で言うと、ドアがすーっと開き、現れたのはおふくろではなく、姉貴だった。

「入っていい?」
「あ、うん。もちろん」

俺は体を起こしてベッドに腰掛け、姉貴は俺と少し間を空け、栞を抱いたまま腰を降ろした。

「主任、いや中条さんはもう帰った?」
「帰ったけど、気になる?」

「それは……」
「気になる、気にならない、どっち?」

「そりゃあ、気になる、かな」
「よろしい」

何が”よろしい”のだろうか。意味が解らん。