冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

「冬美さんには、俺には知られたくない、過去があるからですか?」

冬美さんの肩が、ぴくッと動いた。

「例えば、男に騙され、妊娠したとかですか?」

俺がそう言うと、冬美さんは驚いた顔で俺を見た。

「どうして、それを……。誰に聞いたの?」

「いいえ、想像しただけです」
「それって、いつ? 何を根拠に……?」

「冬美さんは栞を見て、涙を零しましたよね? あの時です」

「それだけの事で? じゃあ、葉子も……」
「はい。姉貴も気付きました。俺よりも少し早く」

「だったら、私が汚れた女だって、解ってるでしょ?」

「そんな事ない! 冬美さんは、汚れてなんかない。誰にでも誤りや失敗はあります。でも、過去を乗り越えてこそ、未来があるんじゃないんですか? 俺は冬美さんの未来を、一緒に築きたいんです」

口が止まらくてそう言ったが、ちょっとキザだったかもしれない。

「話してください。俺、全部受け止めますから」

「わかった。話すわ」

冬美さんは、ぽつりぽつりと話し始めた。それを要約すると……