冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

手を伸ばしてスポーツ飲料を飲んだ。確かにぬるいが、喉が渇いていたのでむしろ旨いと思った。

次にスマホを手に取ると、おふくろからラインが3通来ていた。

『今日も残業なの? 晩ご飯は作ってないから、外で食べてね』
『今夜は泊まりなの?』
『一応心配だから、返事をください』

それに対し、俺は深く考えもせず、こう返した。

「具合が悪くて、上司の家に泊めてもらいました。心配掛けてすみません」

あ、まずい。失敗した!
確かラインって、送信の取消は出来ないんだよなあ。

主任が栞を見に来た日、出掛けていたおふくろ達と主任はすれ違いだったのだが、姉貴がおふくろ達に主任の話をしていた。主任は姉貴の大学時代の友人で、可愛い女性で、偶然にも俺の会社の上司という事を……

主任だけが俺の上司ではなく、例えば課長も上司なわけで、その部分はスルーしてくれるかなと思うが、たぶんそれは甘い考えだろうな。