冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

次の日も、俺は頑張って定時頃までに仕事を終えた。だが、頑張り過ぎたのかもしれない。あるいは、疲れが溜まっているのかも。

どうにも体の調子がおかしいのだ。まるで体温調整機能が故障したかの如く、暑かったり寒かったり、歩くとふらつき、食欲が無い。

でも、昼間の頑張りを無駄にはしたくないので、今夜の主任をストーカーする作戦は決行だ。今日は金曜だから、今日だけ頑張れば明日、明後日はゆっくり休めるわけだし。

退社して主任に付いて行くのだが、どうしても歩みが遅くなり、主任に置いて行かれそうだった。何度か、主任が俺を待ってくれたように思ったのは、たぶん願望による俺の思い過ごしだろう。

今夜の主任は、買い物をしないようで正直助かった。

主任をマンションまで送ったら、いやストーカーしたら、俺はさっさと家に帰るつもりだ。と言うのは、何とも体がだるく、家どころか、今すぐ、どこでもいいから横になり、眠りたかった。

ようやく主任のマンションに着いた。エントランスの前で、主任に”おやすみ”を言うところで、突然汗がブワッと出て来て、頭がクラクラして、悪寒が走り、立っていられなくなり、主任に抱き着いてしまった。

「ちょっと、北野君?」
「す、み、ません」

俺は、それを言うのがやっとだった。