冷淡女上司を攻略せよ！～ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記～

「だが、それは私ではない」
「う、嘘だ！」

「仮に私が冬美を不幸にした男だとしたら、そんな男の側にわざわざ冬美が来るわけなかろう？」

あ、確かに……

「じゃあ、誰なんですか？」
「それは、今の問題ではないと思うがね」

「今の問題……？」
「冬美の傷付いた心を癒し、元のあの子に戻してあげる事、ではないのか？」

あ、それって、正に俺の使命だ。
社長と主任の関係って、何なんだ？

その時、コンコンと扉をノックする音がし、秘書課の女性が扉を開けた。

「社長、そろそろ御来客のお時間です」
「うむ、わかった」

「すまんが時間切れだ。君は私と不毛なやり取りをするより、冬美と話し合うべきだと思うぞ」
「あ、はい」

「ついでに言うが、君との面会に応じたのは、君に見込みがあると思ったからだ。期待を裏切らないでくれよ？」

「はあ」

なんか、最後の方は姉貴と話してるような気分だったが、気のせいだろうか……