主任に怒鳴られてしまった。
「私、嘘を付く男は大嫌いなの。まして白を切ったり、言い訳ばかりで謝らない男って、許せないの!」
主任はやおら立ち上がると、バッグを掴んだ。
「帰る!」
「ま、待ってください。嘘でした。謝りますから……」
「手遅れ!」
主任はスタスタと出口に向かって歩いて行き、俺は慌てて後を追った。主任が会計をしようとしたので、
「俺が出します」
と言ったのだが、
「結構よ!」
と怒鳴られ、主任が会計を済ましてしまった。店員さんが苦笑いを浮かべて俺を見たが、笑ってる場合じゃないっつうの!
そして、足早に去って行く主任の後ろ姿を、俺は無言で見送る事しか出来なかった。
せっかくいい感じになったのに、これでは台無しだ。
だが、ひとつだけ収穫があった。悪い意味でだが。
主任はクレジットカードで会計したのだが、そのカードは、ブラックカードだった。
詳しくは知らないが、主任の給与でブラックカードは持てないと思われ、だとすると、主任が社長の愛人であるという疑惑は、本当だったという事になると思う。非常に残念な事なのだが。
「私、嘘を付く男は大嫌いなの。まして白を切ったり、言い訳ばかりで謝らない男って、許せないの!」
主任はやおら立ち上がると、バッグを掴んだ。
「帰る!」
「ま、待ってください。嘘でした。謝りますから……」
「手遅れ!」
主任はスタスタと出口に向かって歩いて行き、俺は慌てて後を追った。主任が会計をしようとしたので、
「俺が出します」
と言ったのだが、
「結構よ!」
と怒鳴られ、主任が会計を済ましてしまった。店員さんが苦笑いを浮かべて俺を見たが、笑ってる場合じゃないっつうの!
そして、足早に去って行く主任の後ろ姿を、俺は無言で見送る事しか出来なかった。
せっかくいい感じになったのに、これでは台無しだ。
だが、ひとつだけ収穫があった。悪い意味でだが。
主任はクレジットカードで会計したのだが、そのカードは、ブラックカードだった。
詳しくは知らないが、主任の給与でブラックカードは持てないと思われ、だとすると、主任が社長の愛人であるという疑惑は、本当だったという事になると思う。非常に残念な事なのだが。



