冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

料理が来て、二人とも生中をお代わりし、いつの間にか主任と俺は、普通に談笑していた。

「栞ちゃんは元気?」
「たぶん」

「何で曖昧なのよ?」
「姉貴と栞は旦那の元に帰ったから、よく知らないんですよ」

と、こんな感じ。おそらくアルコールの効果だと思う。つまり、主任は酔うと陽気になるタイプなのかと。もちろん、喜ばしい事だが。

「葉子の旦那って、素敵よね? 葉子がノロけてた」

「まあ、そうですね。俺とどっこいどっこいかな」

プッ

あ、主任が笑った。主任が笑ったのって、初めて見た。さっきも思ったけど、笑顔の主任って、可愛いなあ。

「それに、優しいんだってね?」
「姉貴限定ですけどね。姉貴にはメロメロですよ」

「そうなんだ? 葉子が羨ましいなあ」

主任はそう言って、うっとりしたような顔で俺を見た。なんか、俺を誘っているようにも見えた。

そんな主任に、俺は顔が熱くなるのを覚え、胸がドキドキして来た。

これって、俺の使命は完了じゃね?

今の主任は、どう見ても男嫌いには思えないから。