冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

「何してるの?」

え?

顔を上げたら、主任が俺を睨んでいた。

「え、あ、ちょっとラインのチェックとかを……」

「私、会話や会食中にスマホを見る人って、嫌いなの」

スマホの画像を主任に見られたかと思い、そうではないのでホッとしたのも束の間、主任を怒らせてしまったのはまずかった。自己暗示も失敗したし。

「ですよね。もうしません」

と言い、俺はスマホをポケットに仕舞った。

姉貴……やっぱり俺、無理かも。


「勝手を言って、ごめんなさい」

え?

「私って、最低よね? 自分の考えを人に押し付けるなんて……」

「あ、いや、そんな事はないですよ。俺もそう思いますし。普段の俺は、違うんですけどね……」

まさか主任に謝られるとは思ってもなく、驚いてしまった。主任にも、案外しおらしい所があるんだな。

「じゃあ、”普段の俺”になってよ」
「え?」

それって、姉貴が言う所の”フラグ”の一種か?

「私も肉じゃが、頼んじゃおうっと」

え? 今の主任……可愛いんですけど!