冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

主任も俺も生ビールの中ジョッキを頼み、それで乾杯した。そして、二人同時に飲み始めたのだが、主任は俺より沢山飲んでいた。ゴクゴクと、喉を鳴らして。

主任はジョッキをテーブルにコトンと置くと、

「何見てるのよ」

と言った。俺は、つい主任を凝視してしまったらしい。

「え、あ、主任って、ビールの飲みっぷりがいいなあ、なんて。あはは」

「悪い?」

「い、いいえ、そんな事は……。あ、そうだ。料理を頼みましょう? メニューはこちらで、俺のお勧めは肉じゃがとブリ大根あたりかなあ……」

ああ、やっぱり主任は怖いなあ。

主任がメニューを見ている隙に、俺はスマホをポケットから出し、テーブルの下でこっそりと例の画像を表示させた。つまり、姉貴から送ってもらった、大学時代の主任の画像だ。

それを見て、『俺は今、この超可愛い女の子と一緒にいるんだ』と、自己暗示を掛けようと思ったのだが……