冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

その後考えたが、主任が社長の愛人かどうかは、まだ確定ではないと思う。限りなくブラックに近いグレーといった所かなと。

ではどうするか。うだうだ考えても埒が明かないので、当人の片方、つまり主任に直接確認しようと思う。そして、愛人疑惑が本当なら、止めるように説得しようと思う。説得する自信は、正直なところ無いのだけど。

次の日、俺は朝から仕事に励んだ。隣の上原が、何やら話し掛けて来ても生返事で流し、とにかく頑張って業務をこなしていった。

定時を少し過ぎた頃、おおよその仕事は終える事が出来た。明日で良い仕事は残して、だが。

俺だって、やれば出来るんだな。

そして、目立たないように帰り支度をし、ノートPCを見るともなく見ながら主任の様子をうかがっっていると、主任は立ち上がり、誰に言うともなく「お先に……」と言った。

俺は、この時を待っていたのだ。

ノートPCの蓋をパタンと閉じ、立ち上がって「お先!」と言い、主任の後を追った。

上原が「アタシも……」とか言い、他の何人かに呼び止められた気もしたが、全部無視だ。主任を見失っては、昼間の頑張りが台無しだからな。