冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~

「会議の資料作りとか、売上データの取得と集計とか、諸々の作業が大変ですよね……あ」

課長が最後に言った『あ』の意味も、俺は瞬時に解った。それらの作業は、主任も同様だからだ。

しゅんとなった俺達だが、上原が何かに気付いたらしい。

「書店向けの月報を書くのって、かなり大変なんだよね……」

と上原は言い、ドヤ顔をした。
確かに月報は上原が担当だが、最後に『あ』って言うべきだろ?

「チェックは中条君がしてますよね?」

すかさず課長のツッコミが入った。

「あ」

ほらね。月報のチェックは俺もしてたが、結構大変な作業なのだ。

「私達は、仕事の仕方を考え直さないといけないようですね」

と課長が言い、俺と上原は黙って頷く他なかった。


料理が運ばれて来て、お通夜の精進落としみたいに俺達は黙々と食べていたのだが、上原がまた何かに気付いたようで、元気な声を出した。

「あの女、社長の愛人なのよね!」

な、何だと!?