あぁ・・・なんてことだろう。
なんてこったな事態になった。
ただでさえこの状況に全く着いていけていないというのに何故こんなことに・・・
好きだと気付いてまだ2週間弱。
やっと少し話せるようになったくらいのこの状況でまさかの外野からの予想外の攻撃・・・
告白するどころか失恋の危機だよ、さっちゃん・・・
室井くんがなんて答えるのか聞くのが怖くて逃げたい気持ちモリモリなんだけど、ガッチリと室井くんに抱きしめられ逃げるに逃げられない。
「・・・・・・あぁ・・・そっか」
たっぷりと無言を貫き通した室井くんは
ようやくポツリと、呟いた。
そして
「俺、日吉さんが好きなんだ」
と、腕の中のアタシを見下ろして
ヘヘヘ、と笑った。
・・・へ?好き?
え?誰が?誰を?
「はいぃぃ!!!!?」
「わわわ」
アタシは勢いよく室井くんのTシャツを掴むと
その体制のまま彼を見上げた。
「苦しいよ、日吉さん」
あはは、とのんきに笑ってるけど、ちょっと待ってよ、落ち着いて。落ち着いて思い返すのよ、純。
今この人、なんて言いました?
「うわ~恥ずかしいなぁ」
いやいや、ヘヘヘじゃなくてさ!!
そんなアタシたちを傍観していたSnakeFootの面々は
「おぉ・・この場で告白とかやるなぁショウ」
「っていうか!!お前今気付いたんかよ!!!!嘘でしょ!!?」
「・・・お前らしい」
と好き勝手言ってくれちゃっている。
「あれ?みんな知ってたの?なんで?」
キョトンと室井くんは頭を傾げる。
「なんでってなぁ?」
「ライブも近いっつーのに練習中毎日あんだけ¨日吉さんがね~¨って聞かされりゃなぁ?」
「ショウが女の話すんの珍しい」
メンバーのその言葉に「あ、なるほど~」と
納得したような声色で室井くんは頷いた。
