隣の席の室井くん①



疑いの眼差しを向けるヒャヒャヒャ!!と声を上げながら



「しゃーねぇなぁ、んじゃ翔くん情報その1」



と言って人差し指を出し、1を形作る。
アタシは若干疑いの眼差しを向けながらも耳を傾ける。

そんなアタシにニヤリ、としながら相沢くんが口を開く。



「翔もね、マイナークラウン好きなんだぜ」

「え、うそ!!」



意外!!それこそ意外!!

だって、あんなバリバリのロックを聴いてる室井くんが全くイメージにない!!なんか、むしろクラシックとか聞いてそう。



「俺に、マイナークラウン教えてくれたのも翔なんだぜ?」



と、相沢くんが教えてくれた。


相沢くんは、なんかロックっていうのも分かる気がするんだけど・・・(だって金髪だし、ピアスだらけだし)

室井くんがロックを聴いて頭を振ってる姿なんて思い浮かばない。ましてや、シャウトしちゃう姿なんて想像力の限界です。いや、何もシャウトしながら聞くわけでもないけども。

驚くアタシに得意気な表情を浮かべた相沢くんは



「よしよし、んじゃそんな日吉チャンにプレゼントをあげよーう」



と、ポケットをゴソゴソと漁ると、
一枚の紙を取り出しアタシに差し出した。