「いやいや!!そんな仲イイだなんて!!最近ちょっと喋るようになったくらいだよ!!」
「ふぅぅ~ん?」
……なんですか、そのニヤけ顔。
相沢くんはニヤニヤと笑みを浮かべたまま片肘ついてアタシを眺めるように視線を向けてくる。
「翔とどんな話すんの?」
「え?話?」
…室井くんとの会話と言えば
「えー…今日イイ天気だねとか、室井くんの読んでる本の話とか?あ、今日は”輪廻転生のなんちゃら~”って本を読んでて、室井くんがそれについて熱く語ってたよ」
アタシには全く理解できなかったけど。
最近うすうす感じるのは、好きなものを語るとき,普段無口な彼もどうやら饒舌になるらしいということ。
新たな一面を知れる貴重なきっかけなのだ。
「ヒャヒャヒャ!!なんだソレ!!ダメだなぁ~あいつ!!」
再び笑い出した相沢くんは
「そんな話題じゃ、女の子はつまんねぇじゃんな~!!」
と笑い声を上げる。
「そ、そんなことないよ!!じつに有意義な時間だったよ!!」
思わず必死にフォローを入れたアタシに相沢くんは、きょとんとその人懐っこい瞳を丸くしたかと思うと
「ふーーーーーーーーん……?」
と、更にニヤニヤと笑みを浮かべた。
……しまった。
さっちゃんでこの手の笑いには免疫があるアタシは悟った。
「そっか、そっか~」
…絶対、バレた。
