* * *
ーー相変わらず蒸し暑い毎日。
「おはよー」
「おいーす」
覇気のない声で次々と教室に入ってくるクラスメート。
連日続く異常なまでの暑さにもうどうにもならない感が漂っている。
「おはよ、純」
「…もーにん、さっちゃん」
今日もダイナマイトバディなさっちゃんが髪をかき上げて教室に入ってきた。
「暑いわね~今日も」
「…そ~デスね」
「…アンタ、最近何なのよ」
「…はい?何がでしょうか?」
「毎日毎日、その死にかけのフナみたいな顔、なんとかなんないの?」
死にかけのフナって…
「…ひどいや、さっちゃん」
ガクリとうなだれながら死にかけたフナ顔を伏せてみる。
うら若き女子高生に向かってなんて失礼なことを言うのだろうかこの娘は。
大体にして何でアタシが死にかけたフナのような顔をしてるって
毎日続く異常なまでの暑さのせいだけではない。
そして、心当たりがないわけでもない。
「さっちゃん…アタシ、病気かもしれない…」
「は?なにソレ、フナ病?」
…フナ病ってなんですか?
