「なんか、見てると元気になるよね、向日葵」
前髪で隠れた鼻の上からは見えないけれど
口元で綺麗な弧を描きながらゆっくりと視線をこちらに向け、
「日吉さんみたいだね」
と、笑みと共に小さく残し
日誌を片手に平然とした様子で教室を後にした。
誰もいなくなった教室にポツンと一人取り残されたアタシは
「な…なにを…」
と呟き、思わず両手で顔を覆い頭を抱えた。
なんつーことを恥ずかしげもなくサラリと言うんだろーか彼は!!
あんな人畜無害そうな風貌で目立たない室井くんが
あんな…あんな台詞を吐くだなんて!!
意外だとか驚いただとか
最早そんなレベルじゃない。
一番びっくりなのは何より
室井くん相手にこんなにもドキドキしちゃってる自分だよ。
花壇のこと知ってる人がいたことも驚きだったんだけど、そのドキドキとはどこか違う気がするドキドキにアタシは胸を押さえた。
恐らく赤くなっているであろう顔を机に突っ伏しながら
「細胞が死滅するかと思った」
そんな物騒な言葉が教室に響き
さらに体温が上昇した気がした。
只今の予測体感温度
40度。
