ご機嫌に並ぶ、コードと
所々にある音符を目で追いながらちょっと憂鬱になる。
「これ・・・歌詞どうすんの」
SnakeFootのオリジナル曲はタイプもジャンルも色々だけど
ここまで明るいカンジの曲は初めてで戸惑う。
自慢じゃないけど
基本的に根暗な俺が書く詩は暗い。
もともと好きでよく聞く
マイナークラウンも"反政府!!反国家!!"みたいな批判的で陰欝な歌を唄うミュージシャンだし、
もちろんそういうのに少なからず影響されてるし
ハッキリ言って
こんなご機嫌な曲の歌詞書く自信ない。
「ハッピーでヒッピーでキャッチーなカンジでよろしく!!」
ヒャヒャヒャ笑う亮介を
本気で殴ってやりたいって思った。
「どうせここまで明るい曲やんなら、いっそ他にもなんか楽器入れてみるか?」
黒いベースを弾きながら
やなぎんが、ニコニコ笑ってそんなことを言った。
「楽器って?」
頭を傾げる俺の横で
「い~ね!!い~ね!!こうよ~パァッと盛り上がるカンジでよ~!!」
亮介が生き生きしながら賛同する。
「ギターなら弾かないよ」
先手を打ってみる。
「んだよ~!!この前のはオッケーしたじゃんかよ~!!」
「一曲でいっぱいいっぱい」
この前は、日吉さんの前だったから
ついうっかりオッケーしちゃったけど
歌うだけでもいっぱいいっぱいなのにギター弾きながらとか本当無理。
っていうよりやだ。
「・・・タンバリン」
わたあめみたいなアフロを揺らしながらリズムを刻んでいたイッチーが、その手を止めポツリと呟いた。
「ヒャヒャヒャ!!!!い~じゃんタンバリン!!入れよ~ぜソレ!!」
「確かに、アリだな」
亮介とやなぎんが頷く。
「さっきのイントロ部分聞いただけでも結構リズミカルな感じだし、雰囲気出るんじゃないか?」
「い~ね!!シャララ〜ン!!みたいな!!そこにイッチーがズンタンズンタンっつってさ」
それぞれが楽器を手にしながらテーブルを囲む。
それに俺だけおいてけぼりだ。
「全体的にガチャガチャしたカンジでよくね?」
「あぁ、ちょっとジャズっぽく?」
「そうそう!!」
俺らの曲はこんな風に、
誰かが持ってきた曲を
皆で肉付けしていく。
割と嫌いじゃないんだけど・・・
「ねぇ、ソレって誰がやるの」
俺の発言に
3人がぴたりと手を止めた。
「タンバリン入れるのいいけど、誰がやるの」
ものすんごく
嫌な予感がする。
3人は、お互いの顔を見合わせながら
「誰ってなぁ?」
「あぁ、ベース弾きながらタンバリンは無理だな」
「ドラムも無理」
「「「翔だろ」」」
声を揃えて言わないで欲しい。
