とりあえず亮介がピンクのギターを手に
イントロ部分を掻き鳴らす。
亮介のギターを聞きながらスコアに目を通す。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「ど~よ!!ぜってぇイイ曲になんだろコレ!!」
イントロを弾き終えた亮介が得意げに言う。
俺達は無言。
広げられたスコアには
走り書きのコードがうようよと黒く並んでいる。
「・・・なんていうか」
やなぎんが、ため息混じりに苦笑いする。
「亮介らしい」
イッチーがそう付け足す。
「翔はど~よ!!」
「なんかご機嫌だぜって感じ」
その言葉に
ヒャーッヒャヒャヒャ!!そうそうそんなカンジ!!
と亮介が高笑いをした。
今のイントロだけでもかなりキャッチーでポップな
今にも亮介のヒャヒャヒャが聞こえてきそうな曲だ。
「ここのコード進行、無茶がないか?」
スコアを真剣に見つめながらやなぎんが突っ込めば
「大丈夫!!大丈夫!!やっちまったモン勝ちだろそんなん!!」
そんなワケないと思う
亮介のギターの腕は確かにすごいと思う。
マイナークラウンの複雑なコードも難解なフレーズもあっという間にマスターする。
その分、亮介が作るギターの旋律もソロもすごく完成度は高い。
けど、単純な奴だから「カッコイイ~から!!」って理由でやたら複雑なコードを組み立ててくる。
それを弾きこなす亮介もすごいけど
俺らは大変だ。
「今回は増してキャッチーだな。特にこの辺」
やなぎんが指差した部分はAメロからサビに移行する部分。
確かに、かなりキャッチー。
基本的に亮介の作る曲は
ロックっていうよりポップなカンジだ。
いちおう俺達はロックバンドだけど
特にそういうこだわりもないし、それはいいんだけど・・・
・・・今回のはいつもに増してキラキラしてる。
っていうか
全体的にご機嫌な感じ。
「今までにないな」
イッチーは頭の中で早速リズムを描いてるのか
テーブルの上でトトトン、トトトンとリズムを刻みながら呟いた。
「ドラムはイッチーに任せる!!俺にはドラムはわかんねぇし!!」
「おいおいベースは?」
「ベースぅ?ベースはコードに合わせて適当につけてよ、やなぎんに任す!!」
「いや、それにしても全体的なイメージみたいなモンをな?」
「え~?イメージ~?ん~・・・こうひょっほ~い!!みたいなカンジ?」
「「「どんなだよ」」」
ものすごく
雰囲気のみじゃん。
