隣の席の室井くん①




「来年も、また一緒に来ようね」



パーン、と何発目かの花火が打ち上がった。



「・・・来年」


室井くんが、少し驚いたように目を見開いてアタシを見る。それに頷きながら


「うん、来年」


アタシも答える。



来年も、再来年も、
願わくばこの先何度でも。



「日吉さんの未来に、俺はいる?」



ポツリと呟いた室井くんの言葉に、アタシは固まる。

じっと見つめる室井くんの視線が、不安そうな色を見せながらユラユラ揺れる。


「なんで?」


それに不安になりながらアタシは尋ねる。

なんでそんなことを言うんだろう。
もしかして重かった?

いつまで一緒にいられるかなんて保障もないのに
図々しく来年とか行っちゃって、ウザイとか思われたかな。


段々と不安が胸に広がるアタシの手を、室井くんが少しだけ握り返した。



「誰かの未来に、存在するって嬉しいね」



そう言って、室井くんは嬉しそうに目を細めた。


室井くんの手がヒンヤリ冷たい。
なんでだろう。
たまに、本当にふと、たまに
室井くんはこういうことを言う。


まるで、今まで誰とも深く関わってきませんでした、みたいなことを。


「アタシだけじゃないよきっと」


思わず、アタシは口を開く。


「相沢くんとか、やなぎんとか、イッチーとかの未来にも室井くんはいるよ」

「そ~かなぁ」


苦笑い気味に、室井くんが笑う。


「当たり前じゃん!!相沢くんなんて室井くん大好きじゃん!!幼稚園から一緒じゃん!!きっとあの人はこの先も永遠に室井くんに付き纏うよ、ヒャヒャヒャヒャ言いながら付き纏うにちがいないよ!!」

「それはイヤだな」



熱弁したアタシに
間髪入れずに室井くんが言った。


・・・うん。ちょっとイヤかも。