隣の席の室井くん①



「室井くんの目、すんごい綺麗だねぇ・・・」



…すごいものを見てしまった。


アタシは仰け反った室井くんをまじまじと見つめた。

前髪が定位置に戻り再び見えなくなった彼の目元を透視するかのように凝視する。

さっきチラリと見えた室井くんの瞳は
くっきりとした二重に縁取られた黒目がちの大きな瞳。


ーーー思わず、息を飲むくらいに綺麗だった。



「髪の毛避けて、顔出したらいいのに」

「…あんまり顔出すの好きじゃないから」



穴が開くほど見つめられた室井くんは、みるみるうちに赤くなり、口元を手で隠す仕草をして俯いてしまった。


…だから、



K A W A I I   か よ  ☆ !!!!!



放課後の教室で俯きながら真っ赤になるオタク風男子と、そんな光景に悶絶する平々凡々女子


なんだこの絵面。


シュールすぎやしかいか?