「だ、だからね、あの、えと、付き合ってもらってる、だなんて言わないでーみたいな?」
・・・・・恥ずかしさのあまり
最後半疑問形になってしまったよ。
情けない・・・
室井くんは、無言のまま
ひたすら喋るアタシの言葉を聞いていて
アタシが全部言い終わると、黒ブチの奥の綺麗な瞳を
再びうっすらと細めた。
それが、ぞくりとするほど色っぽくて、アタシは思わず息を飲む。
「うん、ありがとう」
少し顔を赤くした室井くんは、ホントに嬉しそうに笑った。
あぁ・・・なんかもう、敵わない。
この笑顔と、室井くんの醸し出すほんわかモードに
敵う気がしないよ。
アタシにとっては¨ショウ¨だろうとキタロー室井であろうと関係ないよ。
¨室井翔¨にドキドキするんだよ。
「俺もね、日吉さんにドキドキしてるよ?」
目を細めたまま室井くんがそう言う。
「嘘だぁ・・・」
「してるよ、今も」
「今も?」
そんな馬鹿な。
貴方いつも、ニコニコのほーんとしてるじゃない。
母さんと兄貴の前ですら
相変わらずのマイペースだったじゃないですか。
「ん~、ドキドキっていうか・・・・・・やきもき?」
「や、やきもき・・・?」
「うん、やきもき」
・・・どういう意味ですか。
「日吉さん見てるとね、触りたくなる。」
「さっさわっっ」
「ドキドキもするけど、やきもきのがピッタリな感じ」
・・・こ、これは
なんてコメントしたらいいんですか!!
「だからさ、日吉さん」
「へ!?」
「触ってもいい?」
「へ!!?」
さらり、とそんなハレンチ発言をしたかと思うと再び室井くんがテーブル越しに手を伸ばす。
しかも、さっきよりも身を乗り出して。
スッと伸びてきた手は
躊躇いなくアタシの上気した頬に触れる。
真夏なのに、ひんやりした手。
言うまでもなくそれにアタシの心臓は暴れ狂う。
「むむ、室井くん!!」
「だって、日吉さんが悪いよ今のは」
「な、なんでですか!!」
「そんなこと言われたら我慢できるワケないもん」
もん、とか
可愛く言っちゃってますけど、しっかりその手はアタシの頬を撫でている。
それにアタシはもう硬直するしかない。
「あはは、柔らか~い」
「・・・・・・・・・」
・・・顔が丸いんでね。
触り心地は悪くないでしょーよ。
しばらく、ぷよぷよとアタシのホッペで遊んでいて
されるがままに硬直していたものの
「日吉さん、こっち来て?」
室井くんが首を傾げながら可愛いカンジでそんな要求をしてきた。
「む、むむ無理!!!!」
「なんで?」
「なんでって!!だ、だだだって、何する気ですか」
「ん~、もっと触りたい」
「さ、さわっっ!!!?」
「だって、足りない」
「いや・・・足りてください。今はこれ以上は無理です」
「んー」
眉をしかめてむーっと口を尖らせても
無理なもんは無理です!
兄貴も母さんもいるし
これ以上の接近戦は危険です!!
何より、アタシが爆発します。
これ以上は爆死しますから!!!!
