「だってね、アタシはいつもドキドキしてるワケですよ。キタローバージョンの室井くんにドキドキさせられ、ショウの時の室井くんにドキドキさせられ、眼鏡のみのインテリバージョンの室井くんにもドキドキさせられ!心臓持ちません。勘弁してください」
テーブルに両手をついて頭を下げてみる。
室井くんはきょとん、とした顔でそんなアタシを見つめる。
「ドキドキ?」
「そう、ドキドキ」
「してるの?俺に?」
「しますよ、そんなん」
頭をあげたアタシの視界には
嬉しそうに笑った室井くん。
「・・・いいなぁ室井くんは。室井くんでもショウでもアタシをドキドキさせる術を持ってるんだもん」
アタシは、恨みがましい視線を送りながらも室井くんを見上げる。
「アタシはね、ショウの時の室井くんも格好イイと思うけど、歌ってない室井くんにもドキドキするんだからね、気をつけて頂かないと」
そんなアタシの言葉に少し目を丸くしたかと思うと
「へへ、そっか」
今度は、その瞳を綺麗に細めた。
・・・ほら
また、そうやってドキドキさせる。
こんなん絶対ドキドキするに決まってんじゃん。
「・・・室井くんさっき兄貴に言ってたじゃない?」
「ん?」
「俺が好きで付き合ってもらってるんです、って」
「うん」
「それに、さっきの話も」
「ん?」
「アタシは歌ってなくても、キタローな室井くんでも好きなんだからね」
「・・・」
「それにね!きっとアタシのが室井くんのこと好きだと思う」
「・・・」
「だ、だってね!!アタシはイチイチ室井くんの発言やら、行動やらにドキドキしてるけどもね!室井くんはいつも、ふわーん、ほわーんてしてるじゃない?アタシにドキドキとかしないじゃない?べ、別に、アタシみたいな女相手にドキドキしろってわけじゃないんだけども!!無理だろーけども!!た、例えば比べたら、いっぱいドキドキしてるアタシのが絶対好きだと思うのね!!」
ドバーっと一気に喋ってふと、我に返る。
なんかアタシ、ものすごく恥ずかしいこと言ってないか?
だけどなんかさ、アタシもすごく好きなんだぞー!!ってことはさ、知っててもらいたいじゃない。
もしそれによって室井くんが、自分にも¨ショウ¨にも、自信が持てるって言ってくれるなら伝えたいじゃない。
