「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「あらぁ!!イケメンさんなのね!!!!」
室井くんの顔を見て、
ぽかーんと再び口を開けた兄貴と
眼鏡の前髪がない物足りなさに、
心なしか不安気な室井くん
そして最早、事の次第を見守ることしかできないアタシのトライアングルの中で
母さんだけが呑気に目を輝かせて室井くんに視線を送った。
「あっはっは!!漫画みたいねぇ!!眼鏡の下がイケメンだなんて!!あら、逆かしら、漫画だったら眼鏡の下は数字の3みたいな素顔だったりするのかしら!!」
・・・それは某アニメのドジでマヌケな彼のことですか母よ。
(333)←こんなカンジですか。
「あはは、なんかすいません」
なぜ謝る。
「純!!!!!!!!」
「うわぁぁぁ!!」
突然兄貴にテーブル越しに手を握られ、なんとも色気のない声をあげたアタシに
「でかした!!妹よ!!まさかお前みたいな妹がこんなイケメンを連れてくるなんて兄ちゃんビックリ仰天だ!!」
「ち、ちょっと兄貴、声!声でか・・・」
耳がキンキンする。いや、まじで。
「しかもあのSnakeFootのボーカルとか!!お前すげぇな!!どうやってたぶらかしたんだ!!なんだ!!弱みでも握ったんか!!?」
「・・・・・・おい」
失礼だな。この兄貴。
「室井くん!ウチの妹が君の弱みに付け込んでるなら俺に言えよ?兄貴としてしっかり責任を負うから!!」
「失礼だな!!」
「うるさいぞ純!!じゃなきゃお前にこんなイケメンの彼氏ができるハズがない!!」
「更に失礼なんですケド!!!!」
ギャンギャンと喚くアタシたち兄妹の会話をクスクス笑いながら聞いている室井くん。
「ほらぁ!!兄貴が余計なことばっか言うから室井くんに笑われてんじゃんか!!」
「ばっか!!これが冷静でいられるか!!ただのもっさり君かと思いきや、まさかのショウだぞ!!?」
室井くんは芸能人か!!
「日吉さんのお兄さん」
クスクス笑っていた室井くんが口を開いた。
アタシと兄貴は、取っ組み合ったままその視線を室井くんに向けた。
「違うんです。俺が日吉さんを好きで付き合ってもらってるんです」
前髪も眼鏡もない素顔に、室井くんは綺麗に笑みを浮かべる。
少し照れたようにはにかむ顔には、ほんのりと赤みがさしていて、
思わずアタシも兄貴も母さんまでもがうっとりと見惚れてしまった。
相変わらずマイペースの彼はマイファミリーの前でもとんでもない爆弾発言をするもんだから
たちまちアタシの顔も室井くん以上に火山噴火間近並の赤みを帯びる。
室井くんはそんなアタシたちを見て
「あれ?なんか変なこと言ったかなぁ」
「・・・いや」
モゴモゴと濁し俯くアタシと室井くんを交互に見て
「「・・・室井くん、気は確か・・・?」」
兄貴と、母さんまでもが
超失礼な発言をかました。
