「あらぁ!!そうなの!!?素敵ねぇ!!」
目を輝かせる母さん。
「マジかよ!!その風貌で!!?ファンキーだなぁ!!」
と、身を乗り出し兄貴。
何がどうファンキーなんだ。
少し恥ずかしそうに「はい」と頷く室井くん。
ぽかーん、と口を開けるアタシ。
「なになに!!?どんなんやってんの!!?」
「主に、ロック的なものを」
「へ~!!超意外だな室井くん!!俺もロック好きでよく友達のバンドとかも観に行くんだよ!!」
「あ、そうなんですか」
ちょ、ちょっと室井くん!いいんですか!!
そんな話題出しちゃって!
兄貴、あなたたちのバンドのことも知ってるんだからね!!バレちゃうよ!!
ハラハラと、アタシはその会話の真ん中で挙動不審になる。
「へ~ぇ。なんてバンド?」
わぁお!!兄貴が核心に触れてきちゃったよ!!
室井くん!!逃げてー!!うまく切り抜けてー!!
「えと、SnakeFootってバンドなんですけど」
わーーーーーー!!
言っちゃったYO!!
ぺろっと言っちゃったよ!!この人!!
まさかのトップシークレットをペロリと話した室井くんに目をひんむいて驚くアタシ以上に
「ーーーは!!?」
兄貴が黒い顔面から白い目玉を見開いて
口をぽかーんと開けた。
「知ってます?」
コテン、と首を傾げた室井くんは呑気に麦茶を啜った。
「知ってるも何も!!!!SnakeFootっつったらこの辺のアマチュアじゃ実力者揃いで有名じゃん!!」
「え?そうなの?」
「・・・・・・・・・」
いや、アタシに聞かれても。
てかまさか室井くん自分たちのバンドの人気知らないわけ?
いや、アタシも最近まで知らなかったけども。
「つーか!!SnakeFootのボーカルってショウってやつだろ!!?」
「あ、それ"翔"を別読みしただけなんです」
「え?え!!?っつーか!!ちっとその前髪と眼鏡外してみ!!?」
兄貴にそう言われ「えー・・・それはちょっと」と、ちょっと困ったように笑った室井くんをお構いなしに
「わわわ」
兄貴が半ば無理矢理
黒ブチ眼鏡と前髪を取り除いた。
室井くんは、眼鏡を失い視界が一気に歪んだせいか
「うー・・・見えない」
と、呟き目を細めた。
