ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
「へ~え。それで無理矢理室井くんはボーカルになったわけだ」
相沢くんの昔話は
所々端折ったような話し方だったけど
とりあえず、やなぎんが前に言ってたように
どうやら室井くんは物凄い強制的にライブに出されたらしい。
そして相変わらず相沢くんはゴーイングマイウェイでお気楽思考らしい。
ということは分かった。
「人聞きわり~なぁ!!ま、回を重ねる毎に翔も人前で唄うの慣れてきてるし、相変わらず人見知りだけど、やなぎんとイッチーには慣れたし!!万事オッケーっしょ!!」
ギャハギャハ笑いながらギーと椅子を鳴らして踏ん反り返る金髪少年。
「にしても、凄い人気だよねSnakeFoot」
「まぁね~。ウチのメンバーは皆それぞれ腕もあるしな~。それになんつってもイケメンギタリストに、イケメンボーカルとくりゃ~女子のファンもガッポリよ!!」
「・・・自分で言うかな」
ヒャーハッハッハ~!!という引き笑いが教室に響く。
真夏の蝉もびっくりだ。
この人、ホントに大丈夫ですか。
暑さのせいだけじゃないと思うんだよ、絶対。
白い目で、目の前の金髪少年を見ていると
机に置いてあった携帯がバイブ音を鳴らす。
ディスプレイには¨母さん¨の文字。
画面を開くと
――――――――――――
帰りに、ケチャップ買ってきて。
――――――――――――
という、なんとも飾り気のないシンプルな指令が送られてきている。
・・・自分で行けよ。
「は!!ってか!!もう6時すぎ!!?」
携帯の時計を見て、アタシは慌てて立ち上がる。
なんてこった!!
ウッカリこの金髪の昔話を1時間近くも聞いてしまった!!
「ヤバヤバ!!電車!!電車の時間!!」
慌てて鞄を引っつかみ結局ほとんど手をつけなかった課題のノートを突っ込む。
「相沢くん!!じゃあね!!また明日!!」
「え~帰っちゃうの?」
「帰っちゃいますよ!!7時から観たいテレビがあるんだよ!!」
「ぎゃはは!!テレビかよ!!色気ねぇ~!!」
「・・・うるさい、ほっといてちょうだいな」
アタシは相沢くんに別れを告げると、バタバタと教室を後にした。
