隣の席の室井くん①




「いよっっしゃぁぁぁ!!」


控え室に俺の雄叫びが響いて、やなぎんもイッチーも翔も目をひんむいて俺を見る。


「そう言ってくれると思ってたよ翔~!!さすが幼稚園から一緒なだけあるな俺達!!運命共同体だな!!」

「・・・やだよ、そんなの」

「またまた~!そんなこと言っちゃって~!!本当は今日楽しかったんだろ~?渋ってたワリには、思いっきりシャウトしてたもんなぁ~!!」

「・・・やっぱやんない」

「おぉい!!男に二言はねぇだろーがよ!!」

「しんない」


ぷいと、そっぽを向く翔にやなぎんもイッチーも苦笑い。


翔のピンだらけの頭をグシャグシャと撫で回せば


「やめてよ」


と、心底嫌そうに翔がその手を払う。


「よろしくな、翔」

「よろしく」


笑って差し出された手に躊躇いながらも
手を差し出した翔の顔にも


「よろしく。やなぎん、イッチー」


うっすら笑みが浮かんでいた。



***



「一つ、条件出してもいい?」

「条件?なんだ?」

「・・・ボーカルはやるけど、ライブやる時は俺だってバレないようにしたい」

「なんで?」

「無駄に目立ちたくないから」

「アハハ、翔らしいな。じゃあ、バンドで活動する時は"ショウ"表記にすればいいんじゃないか?」

「おぉ!!なにそれ!!なんかミュージシャンっぽくてカッコよくね!!?芸名っぽくて!!」

「・・・亮介は黙ってて」

「眼鏡も外して、髪もあげればいいと思う」

「おぉ!!イッチー!!珍しくイイこと言うじゃん!!」

「・・・・・・」

「確かにな。それならまさかこの眼鏡に前髪の翔がショウだなんてバレないぞ」

「・・・え~・・・」

「丁度い~じゃねぇかよショウ!!眼鏡ナシならアガリ症のお前でもなんも見えねぇから緊張しなくて済むぜ~!!アレだな!!観客は皆メロンだと思えばいい!!ってヤツだな!!」

「亮介、それをいうならカボチャだろ」

「ぎゃはははは!!どっちでもいいじゃねぇかよ!!」

「・・・も~、亮介やだ。黙ってよ」





ーーこうして



SnakeFootは正式に翔をボーカルに迎えることになた。


ここから、俺らは
始まったんだ。