イッチーのカウントのあと
ギターのテンポのいい高い音が響く。
まるで唸るように刻みよく、短く。
マイナー調のベースに乗せて、
スネアドラムがテンポを刻む。
疾走感のあるリズミカルな前奏からボーカルが始まるまでに、やなぎんの暗く重いベースラインがが狭いフロアに流れる。
激しいギターリフが続き、アンプを通してこの四角い箱の中にギターの音が流れれば、一気に音楽に色が乗る。
その音を聞きながらステージの中央で
じっと目をつぶっていた翔が、
いや、ーーーショウが、
目の前のスタンドマイクを握りしめ、
ゆっくりと目を開けた。
ーーショウの声が、ライブハウスの隅々まで響き渡る。
時折、低く
地を這うように
時折、高く
天を仰ぐように
俺らが刻むビートに乗せて
ショウがそれらを叫び伝える。
ーーーーわああぁぁぁぁ!!!!
翔、見ろよ。
お前の歌に
お前の声に
奴らは歓声を上げてるんだぜ?
翔に負けじと俺もピンクのギターを掻き鳴らす。
やなぎんが黒いベースで旋律を紡ぐ。
イッチーが2本のスティックで、色とりどりのリズムを刻む。
ーーーふと
ステージ中央の翔と目が合った。
目を細めた翔が、うっすらと、笑みを作り
観客が、わぁぁぁ!!と
沸いた。
たった3分弱の演奏。
色とりどりのスポットライトの中で
袖で震えていた翔は
見事にステージ上で
唄いきった。
SnakeFootの初ライブは
大成功に終わった。
